追走する才能たちへ

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見返り求めず愛すること

《2022.04.26投稿》

 

ミュージカル『犬との約束』

東京公演おつかれさまでした!

 

ELFぶりのミュージカル!ミュージカルでは初の主演!パワーアップした織山くんが観れて幸せな10日間でした〜!大阪公演も沢山の方に感動が届きますように!

 

 

高校を卒業して社会人、そして成人となった織山くん。字面で見たら"大人"になった織山くんに会いに行ってるんだけど、そこにいたのは学校に行くはずの年齢の優しさでいっぱいの"男の子"でした。

 

1幕で登場したダニエルの穢れを知らない純粋で綺麗な瞳が眩しくて眩しくて。綺麗でまんまるのビー玉みたいで忘れられない。貧しくて学校にも通えず、亡くなったお父さんが残した農場を大切にする母のメアリー(三倉佳奈さん)を思いやり、支える優しい男の子。

 

ダニエルはつらい生活をしてまで農場を守ろうとするお母さんのことが心配で堪らないんだよね。つらいことをお酒と一緒に飲み干すというメアリー。つらいことを飲み干すためのお酒なのにそうは見えないダニエル。「大人って何でお酒飲むんだろう」つらいことを飲み干して誤魔化すお母さんを見るのはダニエルにとってつらいはず。

  

 

そんなダニエルの親友、大切な家族の愛犬ラム。劇中にラムの姿は登場しないんだけど、織山くんの動きひとつひとつで、隣にいるラムの姿が思い浮かぶ。本当にそこにラムがいるみたい。足元をうろつきダニエルにちょっかいを出すラム。ご飯の合図に走り出すラム。おもちゃを投げたら取りに行って帰ってくるラム。お菓子をもらいダニエルに撫でられ喜ぶラム。落ち込むダニエルの気持ちに寄り添うように悲しい鳴き声を響かすラム。そこにいるんだ。ダニエルの横にずっとずっと。

 

『僕の親友 ずっと ずっと いつまでも』『僕の親友 ずっと ずっと 離れないでね』

明るくて可愛らしい"ずっと"の弾んだ声が頭に残る。もしかしたら離れることなんて実際に想像もしたこともないんじゃないかなあ。M終わりの「ラ〜ム〜?」の仕方ないなあ感と愛おしさの詰まった声がとびっきりの愛でした。『何倍にも 何倍にも』も"ば"が弾ける音で可愛い。日の光が反射して輝くシャボン玉が弾けるみたいな音。

 

そして突然やってくるダニエルとラムの別れ。久しぶりの買い物で帰りが遅くなったダニエルとメアリーが家に帰るとそこには既に息をしていないラムの姿。泣き崩れ叫ぶダニエル。綺麗な瞳から零れ落ちる涙。さっきまでの幸せでキラキラした輝きとは違くて涙が反射して光っている瞳。正直このシーンの織山くんの表情、ちゃんと捉えられたことないんだよね。私も号泣してしまっているので、一生懸命オペラグラスを構えても視界がぼやけて手が震えて耐えられない。だってさっきまで、"ずっとずっといつまでも"って言ってたんだよ。ダニエルのつらい生活の中のたったひとつの幸せがこんな簡単になくなっちゃうなんて。

 

ラムがいなくなってすっかり落ち込むダニエル。物音にラム!と反応するもラムはもういない。悲しすぎる耐えられない。『ラムがいないずっとずっといつまでも…』と涙をぼろぼろと零しながら声を絞り出す織山くん。『僕の親友』が『ラムがいない』になるなんて、誰が想像した?同じ調で歌うんだよ、ニ長調。全然長調の気分じゃないですけど(泣)しんどすぎ。

 

ラムのお墓でラムに会いたいとうずくまるダニエルの元にジョージ(横山だいすけさん)たちが通りかかり、事情を聞く。弁護するというジョージに対してお金がないから「ごめんなさい」と頭を下げるダニエルにまた心が痛む。弱いものは救われないことを知っているダニエル。それでもジョージはダニエルを救うと約束をする。『止まった時間が動きだす ラムのために』決意に満ちた力強い瞳からまだまだ零れ落ちる涙。

 

ラムを殺したマクレガー(岡幸二郎さん)のいるシガークラブへ向かう。シガークラブについたダニエルは俯いてめちゃくちゃ不安そうな顔をして手は服をいじいじ(可愛くて保護)このシーンのマクレガーとアレックス(神田恭兵さん)の言動、ジョージの行動、自分がされたら飛びついてキレちゃうだろうな。マクレガーとアレックスの完全に犬を馬鹿にした態度に、自分が馬鹿にされたようだとキレて出ていくジョージ。大人がおとなげなさすぎるダニエルを守れ。

 

そしてシガークラブから飛び出して行ったジョージを追いかけたダニエルのデュエット。私これがいちばんすき!Twitterにも書いたんだけど、明るいブルーの照明がすごく綺麗。そこまで明るいシーンじゃないのに違和感のないブルー。ちなみに私がいつも言ってる、"織山くんが似合う明るいブルー"っていうのは、50番台の緑っぽい青のイメージです。kappaの時のブルーの照明に似ていたなあ。歌的には『弁護士に』というフレーズが今回では珍しく低音で心地よいです。これくらいの音程が喉痛めず声出しやすいんじゃないのかな。

実は初日最初に目がいったのが、織山くんのワイヤレスマイクの位置なんだよね。他のキャストの皆さんは耳の上から頬骨に沿わせてマイクをつけているんだけど、織山くんだけ耳の下から口の真横についてるの。いつか織山くんも頬骨にワイヤレスがつけられるようになるといいなあ。そんな日がやってきたら私、幕が開いた瞬間泣いてまう、、、

 

 

話を戻しまして、、、ダニエルの言葉により再び何のために弁護士になったのかを思い出したジョージは裁判を開くも結果は呆気なく棄却、絶望するダニエル。可哀想すぎるダニエル早く報われて〜〜耐えられん。悔しそうに去る姿つらい、、、

 

メアリーとラムのお墓に行き、ラムと2人きりになると「ラムに報告できることがひとつもない」「ラム、あの日1人にしてごめんね。こわかったよね。」と伝えるダニエル。ここがほ〜〜んとにつらい。ダニエルなにも悪くないのに謝ることなんてないのに、心優しくて誰よりもラムを愛しているダニエルだからこそラムにつらい思いをさせたこと、裁判で守れなかったこと悔しいんだろうなあ。

『人を信じ思いやること 見返り求めず愛すること』『笑顔で君にいつかありがとうと言えるように』ラムから教えてもらったことをひとつひとつ大切にするダニエルの表情、きっとラムとの思い出を噛み締めていて穏やかで力強い歌声に感動が止まらない、、、『君にい↑つか』の"い"が高音なんだけど、あんまり1発で当てたことなかったな『君にい⤴︎つか』でいいのかな、どっちが正解???私はきっちり当ててる方が好き。音出してから上げていくのも感情的で伝わるものがあるけどね、、、!

このダニエルの歌(気持ち)を聞いていたジョージがダニエルに謝るんだけど、この時のダニエルがジョージは悪くないよって言ってるのマジで大人だなと思った、、、そんなに大人にならなくていいよ、、、

 

ダニエルの思いはジョージの心に響き、舞台はクライマックス!再審へ!ジョージのスピーチ中、目を瞑り、穏やかな表情でラムを思い浮かべるダニエル。1幕の最初と一緒だ、そこにラムがいるんだ。ダニエルの心の中にずっと。最初に見た幸せそうなダニエルを思い出す、ラムと過ごした毎日楽しかったね、一緒に過ごしたことないのにダニエルの伸び伸びとした姿が思い浮かぶ。

結果、裁判長にもジョージのスピーチはしっかりと伝わり、ダニエルたちは勝訴!!喜ぶダニエルの嬉しそうな表情も最高なんだけどね、後ろにいるメアリーがしっかり息子のことを見て微笑んでるんですよ、、、母の愛、、、眼差しが愛、、、!!!マクレガーは農場をダニエルとメアリーに譲り、犬の保護施設を作ることを約束する。「他に何か望むことはあるか?」「ラムのために祈ってやってください」

 

フィナーレ。重唱。ダニエルを支えてくれた沢山の大人がダニエルを囲む。緊張感が緩み、タガが外れたようにボロボロと泣きじゃくるダニエル。最も感情的な涙。つらかったね、がんばったね、ラムもきっと見てる、大丈夫だよ。

悲しみは消えないけど笑顔でありがとうと言うよ』『僕の親友 ずっと ずっと 心の中に いつまでも』

 

 

織山くんの初主演ミュージカル(初主演自体はKappa)がこんなに穏やかで感動モノだなんて良くも悪くも思わなかったなあ。確実にKappaとのギャップなんだけどね!今回は6公演観て過去2作品と比べると少ない観劇数なんだけど、初日からのブレが少なくて驚いた。ELFもkappaも日を重ねるにつれてアドリブが増えたり、表情や動きのバリエーションが明らかに変わっていたけど、今回は常に高い位置の一定をキープしていたね。かと言って全く変わり映えがないというわけではなく、構成的にアドリブで違う台詞を入れることは難しいけど、表情や動きは毎日少しずつ違ってたはず。これが舞台の醍醐味です。この高い位置の一定は、クオリティを上げることではなく、クオリティを下げないことが何より大事で、あ〜あの日入っていれば良かったな、となるべく思わせないことが重要なことです。それができていました、とても良かった。東京千穐楽は相変わらずな面もありましたがそれはまあご愛嬌です、ラストだもの。頑張ってきたのは皆に伝わっている、愛されているからイレギュラーがあっても支えられた。

 

今回の舞台は初めてのひとり外部でもあり、ホール内は今までより落ち着いている雰囲気でした。立地もあると思うけどね!あの場にいたブルー、グリーン、ピンクのポップなチケットを握りしめた人は皆、織山くんの姿を観ようと時間を使ったんだ。薄々気づいていたとおり織山担はお姉さんが多めな中、高校生が制服姿で1人で静かに開演を待ち望んでいる姿を何回か見かけて、こういう経験で周りの良い大人から劇場での過ごし方、マナーの守り方を覚えてほしいなと思った。まあババアでもやるやつはやるけど、良い年して痛々しいくらいに思ってやって。

単番が多い舞台現場って好きなんだよなあ。私自身同担とお話する機会ってほとんどないけど、結局みんな同じ人が好きなわけじゃないですか。例えば今回だったらカテコでバイバイしてくれる織山くんみて、み〜〜んな尚大可愛いって思ってたじゃないですか???てか実際毎日誰かしらつぶやき声が漏れてたし!席のマウントとかで言ったらそりゃあ気にする人はバチるんだろうけど、そこにいる人がみんな目の前の人の良いところ沢山知ってる空間、好きなんだよなあ〜〜あの場にいる人で織山くんの評価上げるんですよ、私たちの態度で。うちの子がいちばんお芝居うまくて将来あるじゃないですか?(盲目)もちろん織山くんの実力のおかげでどんどん現場が決まっているんだけど、私たちの態度でも貢献したいです。これは見返りがほしいからではなく、織山尚大くんのお芝居、歌、ダンスが素晴らしいからです。節度のあるおたくでいるだけでいい、ただそれだけのこと、簡単なことです。

 

 

 

またグ〜〜〜ンと成長した織山くんの姿が見れて幸せでした〜!私もラムとダニエルが教えてくれたことを大切に過ごしていきたいです。